解決しないまま昼休み。
陽人が教室に顔を出した。
「あ、秋くんは・・・?」
「真由に話があるらしくて、今日はオレと澪だけ」
真由を見るとケータイの画面を見て固まっている。
「真由?あたし陽人とご飯食べてくるけど・・・大丈夫?」
「う、うん!秋から話あるってメールきたから行ってていいよ」
「真由、頑張って!」
「わ、わかった!」
真由を残して陽人と2人で並んで廊下を歩く。
「陽人、また背伸びた?」
「わかんね。そうかな?」
小学生の頃は同じくらいだったのに・・・。
男の子の成長ってすごいな・・・。
2人で屋上に上がって適当に座る。
あたしのお弁当を覗き込んだ陽人が言った。
「澪、料理上手になってきたんじゃない?」
「そうかな?」
お弁当見られるのってちょっと恥ずかしい。
陽人は大きなお弁当箱。
陽人のおばさんは色彩感覚なんてどうでもいいみたい。
「今度、弁当作ってよ」
陽人にいきなり言われてビックリする。
「え!?」
好きな人にお弁当なんて緊張するよぉ。