「澪はとりあえず寝てな」


そう言って、陽人がバッグから参考書を出した。


「期末前だからな」


勉強道具を出して勉強してる。


あたしはその陽人の横顔をずっと見てた。


触れたいな・・・。


陽人にギュってされて思い切り泣きたい。


言葉にできたらどんなに楽なんだろう。


「ん?」


あたしの視線に気づいたのか陽人がこっちを見た。


「どうした?」


「・・・・・・・・・」


「そっか」


そう言ってバッグの中から1冊のノートを出した。


「これに書いて」


ペンも渡される。


「澪のことわかってるつもりだけど以心伝心ってやっぱ難しいな」


ノートを開いた。


まっさらで何も書いてないノート。


何を書けばいいんだろう?