「・・・・・・」


陽人、あのね・・・。


言いたいけど言葉が出ない。


あたし、喋れないんだよ?


「知ってる」


「?」


「澪が今、話せないの知ってるよ」


「・・・・・・」


「おじさんがウチに来てさ、澪が話できないって言ったんだよ」


お父さんが?


「オレに出来ることって何かな?って思って考えてたけど、思いつかなくてとりあえず行っちゃえみたいな?」


クスって笑ってる。


簡易椅子に座ってあたしのことを見た。


「不安・・・だったろ?」


そっとあたしの髪をなでる。


「大丈夫。治るから」


陽人にそう言われた途端に涙がボロボロ出てきた。


不安だった・・・。


一生声出なかったらどうしようって・・・。


すごく怖い・・・。