気が付くと病院のベッドの上だった。


「澪!」


真由の泣き顔が見える。


「大丈夫か!?」


お父さんだ・・・・。


手に感触がある。


視線を移すと陽人があたしの手を握っている。


そっか・・・。


事故にあったんだ・・・。


車に・・・・。


あ・・・お守り・・・。


あたしの手を握ってる陽人の手の中に何かある。


血だらけのお守り。


あたしのお守り・・・。


陽人の手をギュって握り返した。


「澪・・・」


少しだけホっとした顔をしてる。


大丈夫だよ。


頭がちょっとガンガンするだけ・・・。


「・・・・・・・・」


大丈夫って言ったつもりなんだけど・・・。


声が出ない・・・。