教室に入ると、真由が自分の席でぼんやりしていた。


遅刻ギリギリの真由があたしより早いなんて珍しい。


席替えがあって、あたしと真由は前後の席。


授業中喋りすぎて怒られることなんてしょっちゅう。


「おはよー」


真由に声をかけたけど返事はなし。


「真由?」


あたしが肩を叩くとビックリしてあたしを見た。


その顔は複雑な表情。


「どうかしたの?」


席に座りながら聞くと、今度は赤くなった。


変な真由・・・。


「どうしよう、澪」


やっと喋り出したかと思えば声が震えている。


「ん?」


「言っちゃったの・・・私」


「何を?」


「好きって・・・・」


「誰に?」


「あ、秋に・・・」


・・・・・・・・・・・・・?


真由が秋くんに好きって言った?


それって・・・・


「え!?告白したの!?」


「え!?澪鈍すぎ!!」