ドアを開けるとベッドに座ってバッグの中をゴソゴソしている陽人がいる。
「澪、隣のベッド使って」
あたしの顔なんか見てない。
隣のベッドに荷物を置いてもどこに座っていいんだかわからない。
「あ、適当に座れば?」
陽人が気づいて小さいテーブルとイスがある方を指さした。
「何してるの・・・?」
緊張して声が上擦ってしまう。
「え?」
「バッグの中ゴソゴソしてるから・・・」
「明日の準備」
「は?」
幼稚園児か!?
明日の準備って!
「クセなんだよ。前の日に準備しないと寝れないの」
ちょっと恥ずかしそうにしてる。
明日の準備って・・・。
見てると制服をキチンと畳んでベッドの下に置いてる。
「あはは!幼稚園児みたい!」
思わずその行動が可愛くて笑ってしまった。
「笑うなよ」
って言ってる陽人も笑ってる。