あっという間にもうすぐ夏休み。
中学から始めた家事にもようやく慣れてきた。
お父さんはあたしの下手くそな料理でも「おいしい」って食べてくれてる。
陽人はバスケ部に入部したみたいで忙しそう。
真由は吹奏楽部。
あたしも何か部活入りたかったなぁ・・・。
お父さんはいいよって言ってくれてたけど、いつまでも家事をさせるわけにはいかない。
陽人に恋をしていると実感してから、あたしの中で日に日に陽人の存在が大きくなる。
クラスは違うけど、陽人に会いにいったり、時々陽人が教室に教科書を借りにくる。
陽人にはクラスも部活も一緒な友達ができたみたい。
高井 秋くん(たかい あき)。
陽人と「春」と秋くんの「秋」つながりでも気が合ったみたい。
なんだかあたしの気持ちは秋くんにもバレバレみたいで・・・。
別に隠してるワケではないけど、やっぱり恥ずかしい。
秋くんが理由をつけては陽人を1組に連れてきてくれるから嬉しいけど。
それに3組にも行きやすいし。
うちの学校は給食じゃなくてお弁当だから、結構昼休みに真由と秋くんも混ぜて4人でお昼を食べたりできる。
「陽人に弁当作ってやれよー」
なんて秋くんに言われるけど、あたしの料理なんて死んでも食べさせられない。
もっと料理上手になったら作ってみようかな・・・。
そんなことを考えながら今日も学校が始まる。