遠くから足音が聞こえる。
段々近づいてくる。
ドキドキがおさまらない。
あたしの心臓は飛び出ちゃうんじゃないかってくらい跳ねる。
ガラってドアが開いた。
「澪・・・?」
陽人の声。
「澪?」
カーテンの中に隠れて息を整える。
よく考えれば、カーテンって足・・・見えてる。
足音がどんどん近づいてくる。
「澪?そこにいるのバレバレなんだけど」
顔が赤くなる。
「ってゆーか、お前足速すぎ」
陽人も息が上がってる。
「そんなに走って具合大丈夫かよ」
「・・・大丈夫だもん」
カーテンの中から返事をした。
その声はものすごく小さいけど。
「そのままでいいから聞いて」
カーテンをギュって握った。