「よーい」パンってピストルが鳴って、思い切り走った。
全速力なんて何年ぶりかな・・・?
あ、あたし1位じゃん。
ワーって声援が聞こえる。
グランドに白い封筒が並んでる。
適当に掴んで急いで封を破く。
そこに書いてたのは・・・。
「澪ー!!どうしたのぉ?」「桜井なんて書いてある!?」
みんなの声が聞こえる。
どうしよう・・・。
もー!誰がこんなこと考えたのよ!
「桜井!早くしろ!!」
クラスの男子の声に我に返る。
もー!どうにでもなれ!!
紙をギュって握りつぶしてダッシュする。
応援席に向かって。
「何!?なんて書いてある!?」とかそんな声を無視して、
「早く来て!」
って陽人の腕を掴んだ。
「え?」
陽人がビックリした顔をしてる。
「いいから!早く!」
腕を引っ張ってグラウンドに戻る。