真由は秋くん達のゲームを見てて、あたしは暇だからクレーンゲームでもやろうかな?と思って機械の前に立つ。
少年漫画のキャクターのぬいぐるみ。
100円を入れていざ取ろうとするけどなかなか難しい。
あたし結構クレーン得意だったんだよなぁ。
小学校の時、時々お父さんに連れて行ってもらって、大きなぬいぐるみゲットしたことあるんだけど。
悪戦苦闘してすでに500円も使ってると
「とれないの?」
後ろから陽人の声がした。
「あれ?もうやめたの?」
「真由と交代」
見ると真由と秋くんが車のゲームをやっている。
ゲームやってるっていうか、口喧嘩してる。
「勝ったんだ」
「まぁねー」
陽人の手にはペットボトルがある。
「貸してみ」
ポケットから100円出すと、陽人はクレーンの前に立った。
「このぬいぐるみでいいの?」
「陽人取れるのー?」
「オレ得意なんだよ。バカにすんなよ」
あたしだって得意だっての。
そう思いながらクレーンが動くのを見た。