父の会社の同僚の奥さんで母とは30年来の友人。
そのおばさんは「私が来たくて勝手に来てるだけ」と言って毎日顔を出してくれる。
面会時間は午後からだけど午前中から来ても構わないと聞いて、自分のペースで来て、「奥さんおはよー」と明るく笑いかけてくれた。
そして誰かが面会にくると習っているハングル語の勉強をすると言って、フリースペースでお茶を飲みながら勉強して、誰かが帰ると戻って話をしていた。
父やあたしや兄が来ると「また明日ね」と笑顔で帰っていく。
彼女にあたし達はかなり救われた。
最期まで来てくれていたから。
叔父や叔母よりずっとあてになる人だったから。
母も最初は遠慮してたけど、慣れると楽しそうにお喋りをしていた。
今でも本当にありがたい存在だと思う。
そのおばさんがいてくれるからあたし達は少しでも休めるから。
「無理しないで何か頼んでいいんだからね」
その言葉を言われたのがとにかく嬉しかった。
叔父や叔母からその言葉を本当はほしかった。
でも、事情もあるのか誰も言ってくれなかった。
だから本当に救われたと思う。