黙って母を見ていた。


(何か何かおかしくない?)


胸で息をするペースが遅い。


あたしは立ち上がって母の肩を掴んだ。


「ねぇ、お母さん。朝だからもう起きなよ!お母さん?何で起きないの?起きて!朝だから起きてよ!!」


それと同時にあの看護士が部屋へ入ってきた。


「心拍が落ちたので家族の人もすぐに呼んで下さい」


あたしは部屋なのに関係なしで父に電話をした。兄にも


「心拍落ちたって早くきて!!」


パニックになりながら叫ぶように言った気がする。


「お母さん!起きて!!起きないとダメだって!!早く起きて!!」


涙が出て言葉が詰まる。

こんな時に何であたし1人なんだろう?



「お母さんってば!!起きて!息、ちゃんとして!!」


叫んでも母は眠った時と同じだった。