父や兄は耳が腐るくらいこの説明を受けているのだろう、何も言わなかったし、医者もあたしに向かって喋っていた。


「・・・という事です。娘さんわかりましたか?」



あたしは医者に言いたかった事、ずっと心に思っていた事を言おうと決心していた。


その前に聞きたい事があった。


医者の説明で確信出来た事だ。


「・・・母は今月を越せますか?」


この言葉に父も兄もビックリしていた。


あたしは涙一つ流さないで医者を睨みながら言った。


医者はしばらく黙っていたけどポツリと呟いた。



「難しいと思います。今月を越すのは・・・多分無理です」


母の命のリミットが確定された。


これは父や兄もまだ聞かされていなかったみたいで動揺していた様に感じた。



「・・・そうですか」


あたしもポツリと言った。