次のスタジオ練習。

アサヒは来なかった。

『作曲と作詞がしたいから』メールにはそれだけ書いてあった。



今日は自主練習って事にして、それぞれ無言でアサヒの曲を作っていた。

アサヒが喜んでくれるようなアレンジをしたい、都築はどう思ってるかわからないけど。

だから音を作っている最中、どうしても都築に目がいってしまう。



「都築、この曲にそんなギターの音いらないわ!」


「あぁ?だったらどうしろって言うんだよ?お前、人がギター鳴らせばギャーギャーとうるさいぞ、イライラする」


「あたしはおかしいと思ってるから言ってるの。もう一回練り直してよ!」


「お前、ギター弾けないくせにうるせーんだよ!!」



あたしの肩を鈴木が掴んだ。


「優雨、やめなよ。都築くんを追い込んでるよ。僕は構わないけど、優雨は何でもアサヒくんのためにって思い過ぎだと思う」


「え・・・?」


「ちょっとライブハウスの方に行って休んできなよ。優雨かなりイライラしてるからさ」


そう言って笑顔を向けてきた。



あたしやっぱりイライラしてるのかな?



「・・・そうだね。都築、ごめん。鈴木もありがとう」


あたしはそう言ってライブハウスの方へ向かった。