「優雨!!鈴木!!てめぇら何で知らねぇーんだよ!!」


「だって・・・」


あたしと鈴木は顔を見合わせる。


「バンドやった事ないもん」


「あぁ!?お前ら全員アホか!!!」



怒鳴りまくる都築を横目で見てアサヒは立ち上がった。


「店長か上月くんに相談しよー」


そう言いながらノートを持ってスタスタとスタジオから出て行った。



「ま、店長に見てもらうっては妥当な策だよね」


鈴木はうんうんと頷いている。


「コラ!!デブ!!俺の意見はどうなんだよ!!」


「だからデブって言うなよ!・・・それよりそんな偉そうな口きけるならアサヒよりいい曲書ける?少なくともこの5曲はいいと思う。僕には書けないし。都築くん書けるわけ?」


「どうせ安っぽい愛だとか何だとかでしょ?アンタのお気楽脳みそなんて」


あたしが言うと都築はグっと詰まった。


「はい。ビンゴ。あたしそういう背筋が寒くなるような曲絶対無理」


あたしはスティックで都築を指した。


「リーダーはあたし。作詞も作曲もアサヒに書かせる。これはJamsの決まりなの。逆らうなら出て行ってもらう。それよりあんたリードギターなんだからもっとレベル上げなさいよ。せっかくの曲が壊れる」


「このバカ女・・・!!」


そう言うとギターの位置に行ってジャカジャカ何かを弾き始めた。


「よーし!鈴木。あたし達はリズム隊なんだからこの曲をどう彩るかよね」


鈴木に笑顔を向けた。