「これ・・・メジャーでやるの?」


あたしが聞くと「そうだな」とあっさり返事が返ってきた。


「この曲だと・・・」


アサヒは楽譜ってよりコードを書き殴った紙を指差した。


「この②ってヤツだと言葉をはめ込む事が出来るんだよな」



アサヒのコードが書いた紙は全員が持っている。

それぞれそれに自分が演奏するポイントを足したりしてるけど。


この②はアサヒが持ってきた5曲の中でもメジャーコードだけど激しくなく静かな曲。



「いきなりのスローな曲かよ!?お前爆音のロック目指してるんじゃねぇのかよ!!」


都築がゴミ箱を蹴り飛ばした。


「やるよ。でもこの仮題だけど『絶望の中にある希望』はちょっと思い入れがあるんだよね」



あたしはもう一度歌詞に目を通した。




これって・・・・




「アサヒ、これってまさか・・・あたしの・・・?」


そう言うとアサヒはにんまり笑って言った。


「そうかもしれないし、違うかもよ?でもそう思えばいいんじゃない?」



これはあたしとアサヒの出会いの曲だ。