(嫌だな・・・、笑われるんでろうな・・・)


ライブハウス前でウロウロとしていると、「アサヒくん」という声が聞こえた。


(ゲ・・・余計最悪)


都築が笑顔で寄ってくる。


「どうしたの?スタジオ入らないのか?」


「ちょっと考え事」


都築はちょっとバカにしたような笑顔を見せた。


「じゃぁ優雨ちゃんと鈴木くんにアサヒくんは外にいるって伝えておくよ」


そう言ってライブハウスに入ろうとする都築の襟を掴んで思い切り引っ張った。


都築はむせてゲホゲホといっている。


「お前、一言多いんだよ!!勝手に入ればいいだろ!!」


「だってみんな揃ってもアサヒくんいないと変じゃん」


俺は頭をガリガリと掻きむしって「いい、今行く」と都築を押しのけて中へ入った。




(ったく、優雨も何であんなのバンドメンバーに入れたんだよ!鈴木だって嫌がってるし・・・)



「あれ?」


俺は首を傾げた。


「どうした?」という都築の声が後ろからする。


都築が加入して2週間。

鈴木から別に都築に対して文句を言ってない。むしろ普通に会話してるし。

斜に構えて意識してるのって・・・


「俺だけ・・・?」