頭の中でメロディーラインね・・・。


ノートにコードを書きながらため息が出る。


自分が歌うんだから作詞も当然するわけだろ?


作詞ね・・・。



『作詞は自分が思ってる事とか、メロディに合わせてはめ込むとかそんな感じでいいんじゃない?深く考えなくてもテーマさえ決まっていれば、要は言葉遊びなんだし』



鈴木の言葉が脳をよぎる。


言葉遊びって、言葉で遊んだ事なんかないしわからない。


上月に相談しようかな・・・。



ギターをスタンドにかけて携帯を取ろうとするといきなり着信が鳴ってビックリする。


着信を確認すると『優雨』となっている。


(鈴木め・・・)


そう思いながら「もしもし」と言った。


「ちょっと!!作曲してるなんてあたし聞いてないけど!!」


(やっぱりな・・・)


「いや、し始めたばっかりだから恥ずかしいし・・・って鈴木から連絡あったの?」


「鈴木?あたしはさっき上月から聞いたんだけど」


(上月かよ!!)


「まだ、パーツごとにしか出来てないし一曲にするにはどうかな?ってレベルだから。作詞も出来てないし」


「いいじゃん、明日スタジオに持ってきてね!ちゃんとCDに落としてきてよ!あたし仕事中だからじゃぁね」


「え!?明日!?」


と言った時にはもう電話は切れていた。