「ふざけんなよ!」


都築がギターをしまいながら文句を言って帰ろうとするのを優雨が止めた。


「誰も都築をバンドに参加にさせないって言ってないよ」



「はぁ!?」


都築と優雨以外全員が驚いた。


都築もポカンとしている。


「都築のギターはさ、心がないけどそれに心を入れる事は出来ると思うよ。だから都築をメンバーに入れてもいいよ。だけど、入ってやってるって感情やめなよ。だから前のバンドもダメになったんじゃない?都築自身が変われるって思うならおいでよ、断らないから」


「優雨!!」


鈴木が悲痛な声を出した。


「鈴木、大丈夫。この人は音楽が好きな人だから」



「マジかよ・・・、あの女」


龍平も呆れているのに笑ってしまった。


「あのさ、うちのバンドってあの子がリーダーでポジティブだから俺らはそれに引っ張られるんだ。だからいいんだよ。優雨が思うならそれでいいんだ」






どんな最悪な男でも優雨の優しさと厳しさに触れれば世界が変わる。


俺も鈴木も。


だから優雨がそう言うならいいじゃん。



俺はそう思ってる。