翌日、スタジオで都築の話をすると、まず嫌悪感を出したのは鈴木だった。


「僕は嫌だな・・・そういう人。それに僕が知らなかった頃だとしても、その龍平って人の友達ってのがおかしいよ」


「だってさ、優雨、お前はどう思う?」


優雨は胡座をかいてくわえタバコで呟いた。


「・・・そうなのよ。龍平の友達が何であたし達にってところが引っかかるのよね・・・」


「それは俺も同感だな」


「まぁ、実際会ってみないとわかんないけど。アサヒ、その人の連絡先聞いた?」


「一応はね」



そんな話をしていると、スタジオのドアがノックされる。


優雨が出ると「店長?どうしたの?え?客?」という声の一斉にそっちを見た。


「あ、都築・・・」


俺が呟くと、それに気づいて都築が「昨日はどうもー」と明るく言う。


「アサヒ、この人なの?」


優雨が都築を指差した。


都築は笑顔のままギターのハードケースを抱えて入ってくる。


「キミが優雨ちゃん。想像より可愛いね。で、キミが鈴木くん。お、スペクターなんていいセンスしてる」


鈴木がサっと俺の後ろに隠れるようにした。


優雨は黙って都築を見ている。


「で、アサヒくん。これで『Jams』のみなさん全員だね。初めまして、都築です。龍平の紹介できました。ね?龍平」


都築が後ろを見ると仏頂面の龍平が入ってきた。


「龍平・・・」


「アサヒ、お前昨日来てただろ」と面白くなさそうに言った。