セブンズにつくとさすがに入り待ちはいなかったけど、黒ずくめのゴスロリみたいな子がたくさんいてちょっと引いてしまう。
「夕陽!!」
声が聞こえて駆け寄ったきた子も見事なゴスロリ。
「うわ!!イケメンだぁ〜。夕陽のお兄ちゃんはイケメンって噂本当なんだね」
「え?この人のどこがイケメンなの?」
おい、妹。
お前も立派なブスの部類だからな。
そう思いながらもゴスロリに「こんばんは」と笑顔を向けた。
「夕陽もあたし達と一緒に最前列行くよね?」
ゴスロリの言葉に「それは押しつけでしょ」と突っ込みたくなる。
「あたしは・・・」
夕陽が俺を見る。
「悪いけど、龍平は俺の幼馴染みで夕陽から話を聞いて久々に見たいって事でついてきたから、俺と夕陽は別の所で見るよ」
「そうですかぁ・・・。でも、お兄さん!!このバンドかなりヤバイですから!」
「え?何が?」
「絶対デビューしちゃいますよ!あ、お兄さんはバンドとか興味なしですか?」
「いや、やってるから。龍平とは全くジャンル違うけど」
「そうなんですかぁ?今度ライブあったら行きますから教えて下さいね!」
多分、来られても迷惑なだけだな。そう思った。
ゴスロリが去ってから夕陽がため息をついた。
「やっぱ、お兄ちゃんときて正解。危なく最前列に行くとこだった」
「ビジュアル系の客ってあんな服着てるの?」
「さぁ・・・、龍平くんのバンドのファンはそんな感じみたい。事実龍平くんも変な格好してるから」