「はい、60点。ギター初めて3ヶ月?4ヶ月」?にしては上出来じゃない」
店長がコーラを渡してきた。
「そうスか?60点もらえるくらい上達してんのかな?俺」
「大丈夫よ。相当練習してるのがわかる。後は歌ね、向いてるよ。ちょっとハイトーンな声質が歌に向いてる」
店長がニヤリと笑いながらタバコを吸っている。
つられて俺もタバコをくわえた。
「歌ね・・・、俺、歌った事ないんですよ。カラオケとかも嫌いだし」
「そうなの?」
「うん。合コンとかでも一切歌った事なかったな、多分」
店長はしばらく俺を黙って見ていた。
「ねぇ、ギター練習してる時にコードをただ弾くって時あるじゃない?」
「ありますね」
「その時に何かメロが浮かんだりしない?・・・例えばコードをね、ガーって弾いててそれが曲っぽくなってたりとか」
コードを弾いててメロが浮かぶ・・・?
コーラを飲みながら考える。
「あぁ、多少は。鼻歌歌いながら弾く事はあります」
「それ、コードを紙に書いてとっておくの。曲作れるようになるから」
「え!?俺が曲!?」
店長は笑いながら頷いている。
「あんな鼻歌が曲になるんですか!?」
「作曲の第一歩よ」
そうなのか?適当な鼻歌が作曲の第一歩?