泊まらせてもらっていた長老さんの家で荷物をまとめていると、


「YOU!」


あたしを呼ぶ声が聞こえて振り返る。


この集落の確か狩りをするのが仕事の人。名前は何だろう?

昨日のセッションで燃え盛る火の周りで踊っていたっけ。


「ん?」


あたしは首を傾げた「何?」という合図。


「〜〜〜〜、〜〜〜〜」


「うーん、わかんない。どうしよう」


腕組みをして考えてみる。

そうしたらおもむろに彼に手を掴まれて引っ張られる。


「HEY!!」


強めな口調で言っても彼はあたしをひきずりながらどんどんと集落の中を歩いて行く。


たどり着いた先はどうやら彼の家のようだった。


「もっと丁寧にあつかってよね」


ブツブツ文句を言いながら中に入ってあたしが仰天した。



目の前のある光景は出産の最中だったから。



彼の奥さんだろう人が両手に紐を握って叫び声を上げている。



あたしは唖然としてその光景を見る事しか出来なかった。