あたしの名前は竜崎 優雨(りゅうざき ゆう)。21歳、職業?それは何だろう・・・、あ、「世界中を音で繋げる伝統師」なんてどう?

って言っても、日本じゃただのフリーター。ライブハウスでバイトして、ある程度お金が貯まったらこうしてバックパッカーとして世界の色んな民族に単身乗り込んで無理矢理セッションするの。


言葉なんて通じなくてもジェスチャーで何とかなるのよ。

たとえば「お腹が空いた」と思ったらお腹をおさえて食べる仕草。

それだけで相手は「コイツ腹が減ってるんだな」って伝わるし。


日本じゃよく外国人が英語で話掛けて困って、なくなると「日本に来てるんだから日本語で話せ」と文句言う人って結構いるでしょ?

それってどうかと思う。

まぁ、その外国人もジェスチャーすればいいんだけどね。




あたしは音楽には国境はないって思ってる。


それは子供の頃、お父さんがドラムを習わせてくれてそこの先生の影響でもあるかな?


『何でも叩いてみれば音がなる。それは音楽だ』って。


この言葉は21歳になった今でもそう思う。


楽器がなくてもコップを叩けばメロディーになる。



あたしは世界中のどんな国、民族でもいいから彼らが鳴らす「音」が知りたい。


そう思って今日まで行った国は15カ国。


世界はまだまだ広いから。


死ぬまでに何国回れるかな?



そんな事を考えながら、今日日本へ帰国する。


またバイト生活の始まり。


でもライブハウスはあたしに合ってると思う。

「バンド」ってカテゴリで演奏するけど、みんな個性があるから。

下手でも上手くてもそれは個性の、そしてエゴの固まりの集団。

そんな人間達に再会するために帰国するの。次の目的地が決まるまで。