「だってあたしギター教えれないもん。信用出来るギタリストって上月しかいないからさ」


「でも・・・」


「音楽に言葉なし!それに俺も好きなんだ。カート」


上月はニッコリした。


アサヒもようやく笑顔を見せた。


「それで、歌う事にしたの?」


上月に聞かれて困った顔で頷いている。


「うちのリーダーは鬼より怖いから」


「何よ、それ!」


あたしがアサヒの頭を叩くと「イテっ!」と言った。


「とりあえず、アサヒ君の練習と努力次第だから、1ヶ月後にスタジオで。1日4、5時間練習すればコードなんて覚えるし手も上手く使えるようになると思うんだ。いいリハビリにもなるよ」


「5時間!?」


「それ普通だよ」


上月は楽しそうに笑っている。


アサヒはギターを見てから頷いた。


「1ヶ月。俺死ぬ気で練習するから。宜しくお願いします!!」


「うん。ついでに常に何か歌ってなよ。声帯鍛えないとね」


そう言って微笑んだ上月とあたし達は別れた。