翌日、アサヒと待ち合わせをして2人で上月が働くリサイクルショップへ向かった。
「何か女の子に車出してもらうって男として最悪・・・」
アサヒはブツブツ言っていたけどあたしは笑い出した。
「アサヒが足完治したら、あたしは車出さないからね。それまでは構わないよ」
運転しながら、あたしは昨日からずっと思ってた事を言った。
「ねぇ、あーって言ってみて」
「は?何で?」
「いいから!あ、それより「鳩ぽっぽ」歌ってよ」
「はぁ!?ヤダよ!!」
「じゃぁ、あーって。ほら早く」
アサヒは渋々「あー」と言った。
やっぱり・・・。
昨日あたしが思ってた通りだ。
それを上月にも言ったら「そうだね」って言ってたし。
「ねぇ、アサヒ、あんたギターボーカルやりなよ。声が歌うのに向いてる」
あたしの言葉にだいぶ間を開けてから「はぁ!?」と叫んだ。
「ヤダ!絶対ヤダ!!人前で歌うなんて無理!!」
「リーダーの言う事は絶対なの。あんたまだ初心者にもなれてないんだからこれは命令よ。それじゃなきゃあたしはドラムやらない」
「それって横暴って言うんだぞ!歌うって・・・ギターも弾けないのに歌って・・・アホか」
「とにかく!アサヒは歌うの。これは決まり。じゃなきゃ帰るよ!」
「・・・わかったよ。どこぞの女王様だよ、全く」
アサヒがずーっと不満を言ってる間に上月の店に着いた。