ドキドキしながら、あたしに背中を向けているアサヒに声をかけた。
「CD・・・みんな聴いてくれたらいいね」
しばらくしてからアサヒの声。
「最初から期待してたら落胆するだけだぞ?まぁ1枚でも多く持っていってくれたらいいけどな」
「セブンズでのライブうまくいくかなぁ・・・」
アサヒがクルってこっちを向くのが暗闇でもわかる。
「優雨にしては珍しいな。弱気発言」
また心臓がドキドキしてくる。
「別に弱気じゃないわよ!ただ、あんな大きなハコでやるからちょっと心配なだけ」
「いい事教えてやろうか?」
「いい事?」
あたしの頬にちょっと冷たいアサヒの手が触れる。
え?これって・・・もしかして・・・?
顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
うるさかった心臓は益々鼓動が早くなる。
アサヒの手が頬をすっと撫でたかと思うと・・・
「痛い!!」
ギュっと頬をつねられた。
ちょっと低い笑い声が聞こえる。
「何?何か期待してた?」
「してないわよ!!」
「いい事ってのは、誰も俺達の曲を聴きにこないって事。緊張する必要なし」
そう言ってまた背中を向けて、今度は本気で眠りにつこうとしている。
誰も聴いてないかもしれないけど・・・
日本での初ライブなのに・・・
そして・・・アサヒって本当にわからない!!