みんなシーンとしていた。


「だってセブンズのイベント出るんでしょ?これからライブで声がかかる様に、CDを無料配布するの。レコーディングして作ったCDを無料配布して。もちろんここにもCDは置く。ジャケットのデザインなら鈴木にまかせればいいし。5曲か6曲入れてミニアルバムな感覚で作りなさいよ」


互いの顔を見ながら多分同じ事を考えてると確信する。


「あの、レコーディングって実際いくらかかりますか?」


アサヒが遠慮がちに聞いた。


「10万。あたしの知り合いの所に頼んであげるから。ここより5丁先にあるレコーディングスタジオのオーナーとは古いのよ。上月もそこでレコーディングしてるわよ?1発録りじゃなくてちゃんと個別レコーディングしてくれるし、デレクターにもなってくれるから、ダメな所はダメって何度もやらされて厳しいけど、勉強にもなるし、これからライブをし続けたいアンタ達にはちょうどいい」



(10万なら何とかなりそう・・・)


「優雨」店長に声をかけられて「え?」と返す。


「ドラムもcanopus(カノープス)。ウチと同じだから心配いらないわよ」


「あ、それは助かるかも。アメリカもカノープスで安心したし」



「レコーディングだってよ!!500円とかで売れないかな!」


都築が張り切って言った。


「バーカ。オレらのCD買うヤツがいるかよ、CDをコピーして配布なんだから」


アサヒが呆れて言った。


「僕デザイン作るよ!歌詞もカッコ良く載せたいよね?あえてのモノクロとかどうかなー、デジカメで風景撮ってさ、それをモノクロにしたり・・・その前にアルバムのタイトル!!みんなで考えようよ!」


「あ!それならあたしは『バイバイ地球』がいいな。インパクトあるし、地球の写真をモノクロで使うとかさ」


それぞれの思いを3時間以上語り合った。