龍平達のイベント参加まで2ヶ月。


アサヒの持って来た新曲を聴きながらみんなで会議中。

今日はスタジオは満員だからライブハウスで店長も交えての話し合いをしている。


曲を聴いた店長は満足げに頷いた。


「ラストにみんなでやるテッパンな曲って感じ」


「よかったー、ありがちそうだけど、ないような早くて明るい曲作ったから結構自身はあったけど『つまんない』って言われたらヤバいと思った」


アサヒが安心してカウンターに突っ伏した。


あたし達もすぐにこの曲が気に入って、でもどこかありがちが感じもして、店長に聴いてもらうって話になったから。


「・・・ところであんた達、結成して1年くらいになるよね?」


店長に言われて顔を見合わせる。



そういえば季節はアサヒを初めて会った時と同じ。

あたし達は揉めたり悩んだりしながらも1年一緒にいる。

アサヒと鈴木は相変わらずのバイト。プラスアサヒは家庭教師のバイトを増やしている。鈴木は単発の運送会社のバイトも増えて、都築は古着屋で週3回バイトでいいらしく、金持ちは健在。
あたしは変わらずにここでバイトをしている。


アメリカに行ったりアサヒの曲のアレンジをしたり結構忙しい1年だった。



「そういえばもう1年たつのね・・・あたし達はあたしが22になるし、アサヒも23?鈴木が21で都築も23か・・・早いよねー」


「そうだね、僕、自分が21になったのなんて忘れてたよ。毎日必死だったから」


最初に出会った頃より気持ちだけガッシリとした鈴木が言った。
「ガッシリ」しただけで体型は相変わらずだけど。


「だったら・・・」


店長の言葉にみんな視線を送る。


「オリジナルのCD作ったら?」