オドオドしている鈴木と雑誌をめくっているアサヒ。
そして黙って見ている龍平のバンドメンバーとため息をつく龍平。
「鈴木、どうしたい?」
鈴木がビクっとなった。
「ぼ、僕!?」
「そうよ、業に従うのは悪い事じゃないけどちゃんと自分の意見ってあるでしょ?」
鈴木がモジモジして困っているのを龍平のバンドメンバーの誰かが「ダッセー」と笑った。
あたしはソイツめがけて500のペットボトルをぶん投げた。
「危ねーよ!殺す気かよ!!」
「うちのメンバーをバカにしたら容赦しないから。で、鈴木どうしたい?」
鈴木を見るけど「ぼ、僕は・・・」と言ってしたを向いた。
「僕は?その後何か言葉あるでしょ?」
「僕より先にアサヒの意見を聞いたらいいような・・・」
「そしたらアサヒの意見に賛同するのが見え見えだって。だから先に鈴木に聞いてるのよ?ビジュアル系とか客とかそんなの関係なしでここでやりたいか、やりたくないか。YesかNoの話」
鈴木はキョロキョロした後、深呼吸してから言った。
「都築くん、ごめん!でも僕はセブンズに立ってみたいんだ」
都築が驚いている。
あたしの考えは(やっぱりね・・)だった。
誰だって演者なら大きいステージに立ってみたい。
文句を言っている都築だって意地になっているだけで実はそうなはず。
問題は・・・アサヒ。
人前で歌うのが嫌いなアサヒがビジュアル系のましてや龍平の前で歌うなんて嫌なんじゃないかな?