『Auditory hallucination』・・・龍平のバンド。

そのイベントに出演・・・?


3人でフリーズして都築が見ていると、胡座をかきながらチューニングをしている。

それでもマヌケな顔であたし達は都築を見続けた。


「いいだろ?日本でのライブデビューはセブンズ。200は入るぞ、客」


背筋に冷たい汗が流れる。



冗談じゃないわよ、何でビジュアル系・・・よりによって龍平と対バンなんて、・・・いや、その前にセブンズで200人?



「この・・・!!」


都築のそばに行ってゲンコツで頭を思い切り殴った。


「いってぇ!!何でテメーはそう手が早いんだよ!その前に俺、殴られる事なんかしてねーぞ!!」


「あんた、バッカじゃないの!?何考えてるのよ!!」


あたしが怒鳴ると一斉にアサヒも鈴木もわめき始めた。


「何で、俺らが龍平の『幻聴』バンドと対バンなんだよ!殺すぞ!お前!」


「ギャー!!200人!?セブンズ!?有り得ないよぉ!神様助けてぇ!」


「お前ら、人が頼み込んで取ってきてやったライブにケチつけんのかよ!」


『誰が頼めって言った!?』


3人同時に怒鳴り返す。


「あれからライブのブッキング出来てねーじゃねぇかよ!だからノーギャラでいいからって頼んでやったのに『ありがとう』の言葉も言えねーのか!お前ら!」


『頼んでない!』