紙には小学生並みの汚い文字で『緊急告知!!』と書いてある。
「都築、字が汚いにもほどがない?」
「うるさいぞ、優雨。広報担当の俺にそんな口を利いていいのかね?キミは」
「は?広報担当?あんたBBSの返信担当じゃん。てか、何よ?広報って」
そんなやり取りをしていると、今度はアサヒが「あぁ!?」と大声。
「だから、うるさいって。どうしたの?一体・・・」
アサヒが手にしている紙を奪い取って読み上げた。
「えーと、『緊急告知!アメリカ、デンバーで大盛況の初ライブを終えた我々、『Jams』は今度はロックの垣根を越えてアウェーへ乗り込む!』・・・。何これ?」
あたしが都築を見ると「ちゃんと見ろ!」と言われる。
「はいはい・・・。『今度はススキノのセブンズにて『Auditory hallucination』企画のイベント『眠ラナイ夜〜ナイトメア〜Vol.3』に参戦決定!ビジュアル系とロックの時間制限なしのデスマッチ!乞うご期待』・・・?あのさ、国語能力もっと付けた方がいいわよ。ダサイ文章ね・・・」
紙を指で突っつきながら言っていて、ふと気がつく。
慌ててもう一度紙に目を落とす。
3回読み直して、呟く。
「セブンズにて『Auditory hallucination』の企画イベント『眠ラナイ夜〜ナイトメア〜Vol.3』に参戦決定・・・?」
『Auditory hallucination』?幻聴??
あれ?何だっけ?この名前・・・。
「はぁ!?」
今度はあたしが大声を上げる番だ。