数日後、スタジオでセッティングをしていると、都築が遅れて入ってきた。


「都築。遅刻は100円罰金」


あたしが『Jams罰金箱』と書いた瓶を出すと、「ごめんなさいね、リーダー」とご機嫌に100円を入れる。


「何よ、キモイくらい機嫌いいじゃない」


罰金箱をスタジオの隅に置いてあたしは言った。


「まぁねー。あ、鈴木、コレHPにUPしといてねん」


1枚の紙を鈴木に渡している。


「え?何これ?字が汚い・・・」


鈴木が目をこらして紙を見ている。

いつもの都築なら「うるせぇ!デブ!!」と怒鳴るところだけど・・・。


都築は鼻歌を歌いながらケースからギターを出している。


(ま、都築はいつも変だけどね)


あたしも別にいいや、と思いながらスティック選びを再開した。



「ええええええええ!?!?」


その途端に鈴木の絶叫。


「何だよ!ビックリさせんなよ!」


声に驚いたアサヒがスタンドに設置しようとしたマイクを落としそうになっていた。


「都築くん!!これ、どういう事!?」


そんなアサヒなんて無視して紙を手に都築に詰め寄っている。


「何?どうしたの?」


あたし達は鈴木の手にある紙を覗き込んだ。