マイクを自分の高さに直すと、アサヒがまっすぐと前をみた。

少し息を吐いてからマイクに向かって喋り始めた。


「Nice to meet you. "It is Jams" which came from Japan. We are not yet the levels that live broadcasting is possible in beginners in U.S.A.
Therefore I decided to pray to God. "Please when can play it without being wrong"」
(はじめまして。日本から来ました『Jams』です。僕達はまだ初心者でアメリカでライブなんて出来るレベルではありません。
だから神様に祈る事にしました。「どうか間違えないで演奏出来ますようにと」)


アサヒの言葉に辺りが静かになる。


「Please give God time to pray」
(どうか神様に祈る時間を下さい)


そう言うとあたし達を見回して少し笑った。




静まりかえったバー。


これなら・・・

アサヒの足音が聞こえる。



アサヒはもう一度マイクを直すと、ピックをしっかり手に持って動かなくなった。


それを見てあたしも、鈴木も、都築も目を閉じる。



どのくらい時間が経ったかわからないけど・・・



トン・・・



アサヒの足音が聞こえて目を開ける。


そしてあたしは思い切りドラムを叩いた。