午後11時20分。


あたし達は円になった。


「いい?今までやってきた事、それをやるだけでいいの。あたし達は呼吸さえ合えばいい音が出せる」


あたしの言葉に頷く。


「後はずーっと練習してきたんだもん。アサヒのタイミングわかるよね?」


『OK!』


「じゃあ・・・」


あたしはみんなを見てニヤリと笑った。


「日本のロックをこのデンバーの陽気な外国人に見せてやろうじゃない」


全員あたしが出して手に順番に手を重ねる。


「行くよ!!」


その声と同時に手を離した。





「A pretty rock band comes from Japan, and none of heap up the name of the band today because "Jams" is the first live broadcasting!」
(今日は日本から可愛らしいロックバンドが来ているよ!バンドの名前は『Jams』!初ライブだからみんな盛り上げてくれよ!!)


ヘンリーさんの声が聞こえて、指笛が鳴ったり拍手が起こったりしている。




あたし達は戦地へ乗り込む気分でバーへの扉を開けた。