「とりあえず目を開けた状態でやってみるか?」
アサヒが言って、また都築が弾き始める。
ジャーンと言う音が終わってあたしはライティングデスクを、鈴木もベースですぐに入る。
でも音はバラバラだ。
「ダメじゃねーの?」
都築が言った。
「目を閉じるって何となくやってたけど、アサヒの足音待ちっていう事ですごい集中してるからやっぱり目を閉じるのは必要なのよ」
鈴木がうーんと考えている。
「目を閉じてる時、頭の中でカウントとってれば?ゆっくり10まで数えたら入るって感じで。ギターの単弾きから入るのは慣れてからだな。日本でって話」
アサヒの言葉に都築が「ちょい貸して」とあたしのスティックを取った。
「統一だな。アサヒ、お前の中のカウントをちょっとこれで叩いてみて」
都築からスティックを受け取って「カウントね」と言いながら、ベッドの隅をスティックで叩き始めた。
カン、カン、カン、カン・・・・。
「思ったよりゆっくりなのね」
あたしも残りの1本のスティックで同じ早さでカウントを取る。
「これを頭に叩き込むしかないね。やってみようよ」
鈴木が言って、アサヒがまたスティックでゆっくりカウントする。10になった瞬間全員で音を出した。
今度はピッタリ。
『おー』
と4人で感心の声が出た。