一曲だけで汗だくのあたし達にヘンリーさんは拍手した。

「Hey, your present performance to be possible if breathing matched was splendid. Do you look?」
(ほら、呼吸が合えば出来るだよ、君達の今の演奏は素晴らしかったよ。見てみる?)


『見る?』


袖で汗を拭いながら聞き返した。


「あ、ビデオカメラ・・・」


本格的な感じのカメラがヘンリーさんの隣にあった。


「何で撮ってたのかな?」


鈴木がカメラに近寄ってキョロキョロ見ている。そしてあたしに言った。


「優雨、ヘンリーさんに何で録ってたのか聞いてよ」


「うん・・・、でも本当に何でだろうね?」


答えてからヘンリーさんに伝えた。


ヘンリーさんの言葉を聞いてあたしはビックリした。


「ちょっと!!演奏が良かったからこのカメラの映像をHPのPVとして使ったら?だって!!」



みんなでヘンリーさんが録っていた映像をカメラの小さなモニターで確認。


その中に映っているあたし達は今までとは全然違うくて、このバーの雰囲気とアサヒの声が合っていて、それなのにギャップがある爆音で、全員真剣だから、すごく良かった・・・。


「本物の売れてるバンドのPVみたい・・・」


鈴木の言葉に納得。


ヘンリーさんも「いいでしょ?」とニヤリと笑った。