「待ってるって・・・、俺、まだそんなに歩けないし」
「歩けるようになってからでいいから!あ!・・・」
「え?今度は何?」
「忘れてた。あたし来月からスリランカ行くんだった」
「はぁ!?スリランカ!?」
アサヒがデカイ声を出した。
「帰ってくるのは・・・、えーっと、気分だからなぁ。店長には2ヶ月お休みもらってるからそのくらいだし・・・」
あたしが頭を抱えるとアサヒの笑い声が聞こえた。
「え・・・?」
「優雨って面白い。変な奴だな」
「何が?」
「天然?厳しいんだか優しいんだかさっぱりわかんない。でも一生懸命だって事はわかる。後はいい奴で美人だなーって事は」
「美人?」
あたしの?どこが?
そんな事言われた事あったかな?
あたしが手にしているメモをアサヒはヒョイと取った。
「2ヶ月後ね。OK。俺どうせ就職浪人決定だし、必ず行くよ」
そう言ってあたしの頭をガシガシと力強く撫でた。
これがあたしとアサヒの出会い。