深夜、あたし達4人は鈴木の部屋でPCに落とした『Clear up tomorrow』を聴きながらミーティング中。


「これはこれは・・・また、抽象的な歌詞だな、おい」


ベッドに足を組みながら都築が言った。


「でも、英詩で歌うから特に問題はないんじゃないかな?」


みんなに背中を向けてライティングデスクでPCから曲をCDに落としながら鈴木が言う。


「まぁね、一応そこは計算して書いたけどさ」


アサヒもくわえタバコで答える。



あたし達『Jams』の3曲が流れる中、鈴木がずーっとPCを相手に返事をしている。


「おい、鈴木。お前さ、背中向けてないで少しはコッチに参加しろよ」


都築が呆れて言うと、鈴木は「誰のためにやってると思っての?」ともっと呆れた声で言った。


そんな鈴木の様子が気になったのあ、アサヒが鈴木のPCを覗いた。


「うぉ!!いつの間にそんなの作ってたんだよ!!」


その声にあたしはやっと我に返った。


「え?どうしたの?」



全員で鈴木のPCを覗き込んだら画面には加工された『Jams』の文字。

バンドのHPだった。

てっきりitunesとかで曲がかかっていると思ったらHPから曲が流れている。

今はさっきデータを渡したばっかりの『Clear up tomorrow』。

『New!!』と書いてあって『Clear up tomorrow』が流れている。



「すげー!!さすがオタク!!」


都築が言うと、鈴木はため息をついた。