部屋に入って荷物をベッドに放り投げるとタバコに火を点けた。
「ったく、アサヒが英語話せるなんて・・・、あたしの苦労を何だと思ってんのよ!」
窓の外を見ながらため息が出る。
(ん?)
あたしはちょっと落ち着いて考えた。
アサヒって確か、頭のいい大学だったよね?
前に聞いた時、学部は確か・・・。
「英文科・・・?」
あたしの額から汗が流れた。
ヘンリーさんが車であたしに言った。
『Is he a lover?』(彼が恋人なの?)
「ちょっと、ちょっと待って・・・」
あの時、鈴木と都築が何か2人で話てて、あの2人は英語がわからなくて、
アサヒを見たら「何?」って言った。
あの時、アイツ口元が少し笑ってた。
「That man!」(あの男!)
あたしは立ち上がって部屋を出るとアサヒの部屋に向かった。