「I am splendid, and you are quality of voice appropriate for the vocals」
(素晴らしいね!君はボーカルにふさわしい声質だよ)
そう言ってアサヒにギュっとハグをした。
「あ、ありがとうございます・・・」
グレッチをケースに戻そうとすると、「stop!」とヘンリーさんが言った。
アサヒは緊張からなのか、額にダラダラ汗を書きながら「え?」と聞き返した。
「Because I do not yet hear a sound of Suzuki and Tsuzuki, do not put guitars in order」
(まだ、鈴木と都築の音を聴いてないからギター片付けないで)
すっかりお気楽モードだったこの2人。
ヘンリーさんの言葉を聞いて「えええええええ!!」と叫んだ。
それをあたしとアサヒがタバコを吸いながら見ていた。
「You」ヘンリーさんの声に「ん?」と聞き返す。
「I used it and am glad of the Zippo!」
(そのジッポ使ってくれてたの?嬉しいよ!)
あたしはジッポを見ながらニヤっと笑った。
そしてタバコを吸いながら、鈴木と都築のコントinアメリカを見ながら笑っているアサヒに「HEY!」と声をかけて何かを投げてきた。
慌てて受け取ったアサヒはそれを見て「これって・・・」と呟く。
それは『Jams to Asahi』と彫ってある真新しいジッポだった。
次にあたしにも文字は同じだけど名前が『You』となっている。
そういえば、アメリカに来る前にヘンリーさんから喫煙者は誰?ってメール来てた。
そうだとしたらタバコを吸わない鈴木はどうなるんだろう・・・?
そう考えてるうちに「suzuki!」と呼ばれ怯えながら鈴木がベースをケースから出してトボトボとヘンリーさんの前に歩いてきた。