「え・・・?」
ギターを受け取ったアサヒはかなり戸惑っていた。
アサヒは人前で歌うのが嫌い。それはメンバー内でも結構深刻な問題。
事実、アメリカまでこうしてわざわざ来たけど、「アメリカなら」とは言いながらもあんまりいい顔はしていない。
「アサヒ、何でもいいんじゃない?適当にさ」
鈴木が慌てて言った。
それでもアサヒはギターを持ったまま完全にフリーズしている。
「It was you, and how did the guitar vocal do it?」
(ギターボーカルは君だよね?どうしたの?)
ヘンリーさんが不思議そうにアサヒを見ている。
「何かカバーとかあるだろ、しっかりしろよ」
都築の少し大きめな声で我に返ったみたいで慌ててギターをしっかりと持ち直した。
「じゃ、じゃあ歌います。ギター初心者なのですいません」
ヘンリーさんに頭を下げると同時に、ビー○ルズの『Le't ○○ be』を
指で弦をはじきながらカタコトな英語で歌い出した。
アサヒの声は柔らかいハイトーンボイス。
この声でゴリゴリの爆音ロックをやりたい。
でも、・・・アサヒって弾き語りが似合うかも・・・。