「This music is the music that I made when I was rejected by the person who loved it in the days of you. Contemplation is strong and is a favorite.」
(この曲は君くらいの頃、大好きだった恋人に振られた時に作った曲だよ。思い入れが強くてお気に入りなんだ。)


あたしがアサヒに伝えると「そうですか・・・」と言った。


「どうしたの?」


鈴木も不思議そうにアサヒの顔を覗いた。


アサヒはしばらく黙っていたけど、悔しそうな表情で呟いた。


「ヘンリーさんの今の曲聴いたら、俺の曲ってすげー安っぽいって痛感しちゃってさ。ヘンリーさんは俺と同じ頃にこんなすげー曲作れたのか、って思った」


「Was something wrong?」
(どうしたの?)


ヘンリーさんが聞いてきた。

あたしはアサヒに「言ってもいい?」と確認しながら、ヘンリーさんに伝えた。

それを聞いたヘンリーさんは頷いてから「Asahi!」と呼んで手招きをする。


アサヒは首を傾げながらヘンリーさんのそばに行った。


「Who is an artist respecting?」
(尊敬してるアーティストは誰?)


「えーと・・・artist respectingだから・・・リスペクトか。カート・コバーンです。ニルヴァーナの」


「It is Kurt Cobain, a garage rock. When match Asahi; an atmosphere」
(カート・コバーン、グランジロックだね。アサヒに合ってると雰囲気とかが)


ヘンリーさんはそういうとカートがギターボーカルをしていた『ニルヴァーナ』の曲を少しだけ弾いた。

そして自分のグレッチをアサヒに渡して、

「You tell the next a singing voice and a guitar」
(次は君が歌声とギターを聴かせてよ)

と言った。