ヘンリーさんの車に機材を乗せて店兼自宅がある細長いビルに向かう。
「訳さなくて大丈夫?」
あたしが聞くと、3人揃ってスマートホンを出した。
いつの間に携帯変えたんだろう・・・。
「それあるから平気って事ね」
笑いながら言うとヘンリーさんが不思議そうに3人を見ている。
「When Henry talks with them because each other's words seem to understand that they talk towards a cell-phone, talk to a cell-phone」
(携帯電話に向かって喋るとお互いの言葉がわかるみたいだからヘンリーさんも、彼らと会話する時は携帯電話に話かけてね)
そう言うと「OK!」と陽気な返事が返ってきた。
「今のはね・・・」とあたしが言いかけると、
「わかってるぞ!アホ!!恥かかせるな!」
と都築が文句を言った。
やっぱりス○ードラーニングの効果はなかったようだ。
アサヒを見ると、窓から黙って遠くを見ている。
そんなアサヒをチラっと見てヘンリーさんがこっそりあたし言った。
「Is he your lover?」
(彼が君の恋人なの?)
「へ?」
あたしはビックリして思わず変な声を出してしまった。
ヘンリーさんは軽く笑ってあたしの頭を力強く撫でた。
もう一度アサヒをこっそり見ると・・・
「どうした?」とアサヒが気づいてこっちを見た。
「いや、全然何でもない!」
赤くなるのを見られないようにさっさと前を向いた。