その足で上月のリサイクルショップに向かう途中、みんな作詞の内容をアサヒに聞きまくった・・・ってより問いつめた。
「どんな曲?あ、歌詞か。どんな歌詞なの?」
鈴木が目をキラキラさせて後部座席から顔を出す。
「どんなって・・・、普通だよ。日本語だと本当に普通。どうにかそれで当てはめる事も出来るんだけど、英語の方がしっかりはまるんだ」
「曲名は!?」あたしは運転中のアサヒにしがみついて聞いた。
「危ねぇよ、事故るだろ。タイトルは『Clear up tomorrow』。明るい感じ」
「・・・『Clear up tomorrow』?」
あたしはポカンとして聞き返した。
「どんな意味なんだよ、優雨!」
同じく後部座席の都築が言った。
「・・・『Clear up tomorrow』は・・・要するに『明日天気になーれ』って意味かな?」
車中がシーンとなる。
それから・・・
「何だよ!!そのぼんやりしたタイトルは!明日天気になーれって子供か!?」
「頭に浮かんだのそれだもん。歌詞もそんなのほほんとしてるから英詩で書く意味があるんだよ。それじゃなきゃ音を、爆音を引き出せないからな」
「大丈夫なのかよ!?「バズーカでぶっ飛ばす」に「絶望の希望」?そんで「明日天気になーれ」?お前ふざけてるんじゃねぇの!?」
そんな都築をチラっとルームミラーで見てから「俺は真剣だよ」とアサヒが言った。
「歌詞みたらわかるって!!とにかく歌詞!!」
鈴木の声にも「うるせーな。ギターが先だ!!」と言って店の駐車場に車を停めた。