「そう、。デンバー。いい街よ、あたし大好きだしこのジッポもそのおじさんがくれたの」
あたしはジッポを出してタバコに火を付けた。
アメリカ。コロラド州デンバー。
地元ではデンバーは『Lo Do』(ログアーダウタウン)、または『マイル・ハイ・シティー』と呼ばれている。
ロッキー山脈に囲まれたこの都市はコロラド州の主都。
位置としては北米。歴史の古い街で金鉱が発見されて一時期「ゴールドラッシュ」があったらしい。
365日のうち300日近くが晴天だという気候に恵まれた街。
唯一、ふにおちないのがデンバーでのみ大麻の成人からの使用が許可されてる事。もちろんデンバーから出て使用したら州では禁止されているから逮捕されるけど。
たまたまバックパッカーでウロウロしていて、お腹が空いて入った店は小さなジャズバーだった。
まぁサンドウィッチくらいはあるかな?と思って入って、そこの店のマスターのおじさん『ヘンリーさん』と出会って今でも手紙やメールを続けている。
ヘンリーさんに出会ったのは2年前。19歳の時だ。
あたしがザっと説明するのを3人は黙って聞いていた。
「ってワケであたしは日本で初ライブするより、いきなりアメリカって方が面白いかな?って思ったの。特にアサヒ!」
「え?」
「今キツいと思うけど、環境が変われば曲浮かぶかもしれないじゃない」
「優雨・・・」
「でも!僕らオリジナル2曲しか持ってないよ?どうするの?」
鈴木が青ざめて言う。
「オリジナル2曲とコピー持ってけば何とかなるんじゃない?もしかしたらアメリカ行く前にアサヒが作るかもしれないしね。行くなら1ヶ月後よ。どうする?」
あたしは3人を見た。