男は本気になったら怖いよ、って忠告?


ちゃんと自分を出しなさい、っていうアドバイス?


「うーー」


両手で顔を覆って、机にうなだれる。


免疫のない私には、よく分からない。


でも、嫌じゃない。


嫌じゃなかった、と思っている自分がいる。


胸の中、モゾモゾと痒いような、何か詰まっているような感じ。


腕、掴まれた……。


机に突っ伏した顔を横に向けて、整列している参考書の背文字を見ながら思う。


私の顔が熱いからか、机と頬の面したところがひんやりと冷たく感じる。


手、大きいんだな……。


「……」


指に触れた唇、柔らかかった……。


「……っ」


ハッとする。


何考えてるの、私。


変態みたいっ!!


私はモクモクと甦るさっきの場面を慌ててかき消した。