遠くなっていく早瀬君の背中を呆然と見送る。


夕方の匂いと光が、辺りを包む。


私は1人佇みながら、グーパーグーパーして、

あれ?何されたんだっけ、

と思い返す。






ジャリ……。


ぽけー、と呆けながら自分の家に足を進める。




キィ……。


ガチャン。


自分の家に入り、「ただいま~」と言い、タンタンタンと階段を上る。


キッチンからの匂いに、ああ、今日は肉じゃがか、と思う。


バタン。


自分の部屋に入り、勉強机の椅子に腰かける。


「……」