「手でも繋ぐ?」


「つ、繋がないよっ!
何言って……」


ハハ、と笑う早瀬君。


完璧に私をからかっている。


図書室の中では大声出せないからっていうのもあるけれど、外で喋るのって、なんか違うな、やっぱり……。




住宅街にまぎれた小さなカフェや公園を通り過ぎていく。


歩道際に植えてある緑がサワサワと風に吹かれる音がする。


ザッザッザッ、と2人の噛み合わない足音。


私はそれがやたらと耳についた。




「中2のつきあいの仕切り直しみたいだね」


急に変なことを言い出す早瀬君。


「そ、そうかな」


そんなこと言ったら、もっと意識しちゃうじゃん。