「ここ」 チャリ……。 職員室の入口付近に鍵をかける場所があって、早瀬君は丁寧に教えてくれた。 「そっか。 わかった。 ……ありがと」 「ん」 早瀬君は、風が吹いたかのようにさりげなく笑った。 「……」 職員室を後にし、靴箱までの廊下を歩き始める。 後は帰るだけだから、自ずとまた一緒に向かうことになる。 あれ? もしかして……。 「ふ。 このままだと一緒に帰ることになっちゃうね」